ロープレのヒント(5)自分の価値観を表に出していませんか?

2016-09-06

クライエントの発言に対して、「良い」「悪い」、「正しい」「間違っている」、「自分もそう思う」「自分はそう思わない」など、自分の価値観や社会観念で判断や評価をしていませんか?

例えば、

「3ヶ月勤めたが、仕事が面白くないから辞めたい。」

というクライエントに対して

「たった3ヶ月で辞めたいなんて忍耐力が足りない。3年はがんばって仕事を続けるべきだ。」

と思うような場合です。

しかし、傾聴で大事なのは、あなた(CDA)の価値観や社会観念ではありません。クライエントの価値観です。クライエントは何に悩んでいるのか、何が言いたいのか、何があったのか、どう考えているのか、それを聴くことが大切です。

 

あなた(CDA)の価値観を表に出さない

そうは言っても、あなたの中に表れた考えや感情をなくすことはできませんよね。そんな時は、それを表に出さずに心の片隅に置いておくよう心がけましょう。

「ああ、自分はそういう価値観を持っていたんだな」と客観的に受け止めること。客観的に捉えることで自己理解が深まり、あなた自身の自己一致に繋がります。

クライエントに対する批判的な考え方や価値観が心を占めていると、言葉にしなくても表情や口調、態度に出てしまい、信頼関係が構築できない可能性があるので注意が必要です。

 

価値観が違っていても「共感」はできる

クライエントと同じ意見や考え方を持っていなくても「共感」はできます。上の例を使うと、

「○○さんは仕事が面白くないから辞めたいと思っているんだなあ」

というように、クライエントの発言を真っ白な気持ちで受け入れましょう。それが良いか悪いか、正しいか間違っているかなど、あなたの意見や考え方は、とりあえず心の片隅に置いておくのです。

あとは、そう考えるに至った経緯や付随する価値観を深く掘り下げていくことで、自己探索を促し、経験代謝をまわすことができるようになりますよ!

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