「共感」のヒントはブルース・リーのアレ★キャリコン面接対策

ブルース・リーと言いつつ、まずはロジャーズから。ロジャーズの言う、カウンセラーの3条件。すぐに頭に思い浮かびますか。

受容、共感、一致

相談者とかかわる時、この3つがとっても大切だということは、すでに頭に入っているのではないかと思います。じゃあ、どうすれば実際にこの3つができるようになるのでしょうか。「こういう時はこうしろ」というような、小手先のテクニックだけではうまくいかないものです。コンサルタント自身の考え方や価値観にかかわることだからこそ、コンサルタントは自分自身に向き合う必要があります。

今回はその中で特に、「共感」について取り上げてみます。

ブルース・リーの名ゼリフから学ぶ

ブルース・リーの名ゼリフといえば、

Don’t thihk! Feel! 「考えるな、感じろ」

ですよね。

これこそが「共感の極意」だと、東山紘久さんは著書プロカウンセラーの聞く技術の中で言っています。この本にかかれている内容をもとに、キャリアコンサルティングの視点でまとめてみました。

まずは考えない。

相談者についてあれこれ考えるのではなく、「感じていること」に注意を向けるのが「共感」の始まり。例えば、ご飯を食べている時に考え事をしていたら、ご飯の味や食感や温度など、感じることはませんよね。これと同じことで、相談者と話している時、「どうすれば解決できるのか」「気の利いたことを言わなければ」「次にどんな質問をしよう」と考えていては、感じることができないわけです。

自分が考えずに感じることができるか、改めてチェックしてみましょう。私の場合、思考力が弱いので(笑)感覚的にとらえることの方が楽なんですが、思考力が高く論理的に物事を考える方は、もしかしたら苦手に感じるかもしれませんね。

自分の視点から離れる。

「大手企業に勤めているんですが、仕事がきつくて辞めようかと悩んでいるんです」と言われたとき、「大手なら安定してるし、少しぐらい我慢して続ければいいのに」というように、コンサルタント自身の心の中に、色々な感情や考えが湧き上がってくると思います。

コンサルタント自身に感情や考えが湧き上がるのは当たり前のこと。だから、「こんな風に思っちゃった」とマイナスにとらえる必要はありません。まずは、「あー私ってこんなふうに感じてるんだな」と自分の感情や考えを客観的に捉えます。そして、それを脇に置いておくことが大切です。

東山紘久さんは「自分の視点から離れる」「自分の評価や判断から離れ、それを放っておきましょう」と言っています。私自身は、頭の脇に置いておくようなイメージをしています。自分の考えや感情を小鳥みたいに、右肩に乗せている感じです(笑)。

ありのままに感じる。

考えていては、感じることを意識できません。散歩をしているときに考え事をしていたら、地面を踏む感覚や、空気の温度、周囲の風景を感じることはできませんよね。散歩中に目の前に広がる自然を意識するように、目の前にいる人に意識を向けて、ただありのままに感じることが必要です。

例えば「大手企業に勤めているんですが、仕事がきつくて辞めようかと悩んでいるんです」と言われたとき、自分の考えや感情や脇に置き、「あーそんな風に悩んでいるんだなー」と良いも悪いもなく、フラットな気持ちで相談者の言葉を感じることができたら良いですね。

相談者はコンサルタントをよく見ている

相談者は、コンサルタントが自分の話を聴いてどう思っているのか、どう感じているのかということを敏感に感じ取っています。この人は私の話をわかってくれる人かどうか。コンサルタントの反応が表面的かどうか、何か考え事をしながら聴いているんじゃないかとか、見え見えなわけです。なので、「共感」をテクニックとして捉えて行うだけでは、「共感されている」と受け取ってもらえません。

コンサルタント自身が意識して、ありのままに感じることができるか、それを相談者に表現することができるかが問われています。共感がうまくできないという方は、自分が感じることができているかどうか、まずは点検してみてくださいね。

ご紹介した「共感」のオススメ本は、こちらです。