論述にも面接にも役立つ!手元において何度も読みたい本★技能検定2級実技対策
2級の論述試験にも面接試験にも役立つ、超おすすめの一冊
国キャリ受検をされた時は、学科で出てくるキャリア理論や心理学の知識と、面接試験の間の繋がりをあまり感じられなかったという方も多いのではないかと思います。とにかくクライエントの話を聴ければOKという感じでしたよね。
これに対して2級は、面接の中で理論を活用できるレベルが求められています。
シュロスバーグの転機、バンデューラの自己効力感、ジェラッドの意思決定論等々、色々学んできましたよね。こうした様々なキャリア理論や心理学の知識を面接の中でどのように活用できるかを知り、実際に使えるようにしておくことが必要です。
そこで今回は、人々のライフ・キャリアを考える上で欠かせない、発達心理学の本をご紹介します。
2級の論述試験にも面接試験にも役立つ、超おすすめの一冊です。
エピソードでつかむ生涯発達心理学 (シリーズ生涯発達心理学 1)
クライエントの人物像を考える時に役立つ発達心理学
2級の面接試験では、5ケースが予め開示されます。
学生、子育てや介護、転勤、定年、独立など様々な悩みを抱えた男女が登場します。家族構成、年齢、職業も様々です。
こうした方々の相談を受ける際に、非常に役に立つのが発達心理学です。
このような生涯発達の視点を踏まえてクライエントの人生を捉えることは、クライエントの人物像を捉える大きな手がかりになります。
「エピソードで掴む生涯発達心理学」のココがすごい!
この本をお勧めする理由は2つです。
1.様々な発達倫理学者の理論も踏まえた上で、男性だけでなく女性の視点も詳しく書かれている。
エリック・エリクソンやホールなど、理論家たちがどのようにライフサイクルを捉えていたかを表にわかりやすくまとめられています。
こうした海外の理論家の考えは男性の生涯がベースになっていますが、この本では、女性のライフサイクルについても非常に詳しく書かれています。子育ての時期に女性がどんなことに悩むのか。更に中年期における男女の悩む内容の違い、そして同じ女性だとしても、その方の価値観によっても何に悩むのかは違うということが分類や表でわかりやすく説明されています。
例えば、「親としてのつまづき」という部分で「親になれない親の特徴」が4つ書かれているのですが、そのうちの4つ目のタイプを読んで、「あ、これ私だわ(笑)」とつい笑ってしまいました^^
少し引用してみますね。
アイデンティティ葛藤型:このタイプは上の4つと比較すると、心理的に成熟しており、健康な人が多いのが特徴的です。このタイプは、親の側に子育てと同等(以上?)に魅力的な関心事があり、十分に子育てに時間と活力がさけない人々です。仕事や社会的な関心など、子育て以外により価値を置く事柄があるため、「個としてのアイデンティティ」と「母親アイデンティティ」の葛藤が見られます。このタイプの母親は、子育てにより多くの関心と時間を注げないことに対して、罪悪感や強いストレスを持っている人が多く見られます。
そして、こうした母親に対してどのような援助が必要かということについても続けて書かれていますので、キャリコンとしてどう支援していくかの参考にもなります。
2.具体的なエピソードを使って説明されているので、わかりやすい。
どんな時期にどのようなことを考え、悩むのか。たとえば中年の危機など、それぞれの発達段階で起きる悩みを具体的なクライエントのエピソードを用いて詳しく解説しています。
このエピソードに登場する人々は日本人(たぶん)だというところもわかりやすさにつながっているのではないかと思います。実は私、翻訳された本を読んでもなんだかしっくりこないなあと思うことが多いんですよね。翻訳の読みにくさもあると思うのですが、登場するクライエントが理解しにくいという面もあるのかなと思っています。その点においても、この本は非常に飲み込みやすいなと感じています。
この本は面接の5ケースを検討する時にも役立ちます!もちろん論述にも♪
論述試験でも面接試験でも、クライエントを観る時、クライエントをパターンとして観るのはなく、クライエント個人を観る必要があります。発達心理学を押さえておくと、クライエントがどんな状態なのか、どんなことで悩んでいるのかを捉える手がかりになりますよ♪
5ケースの検討の仕方セミナーでも、クライエントをどう捉えれば良いのかについて詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
(ケース検討の仕方はレクチャーのひとつとして「面接対策レクチャー」に入っています。)
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